中学受験を考えるご家庭では、多くの方が塾選びに悩むと言います。
それもそのはず、中学受験を目指す場合、塾選びがとても重要になって来るからです。
中学受験の塾は、大きく3つに分類されます。
➀大手塾
➁個別塾
③家庭教師
ここで、最初に強く伝えておきたいことがあります。
中学受験で希望する結果を望むためには、①②③の中から1つを選ぶのではありません。
一部の生徒をのぞいて、
➀+➁ or ①+③ |
の組み合わせで通わせる必要があるという事です。
つまり、どのような塾に通わせるとしても、①大手塾は必須だということです。
大手塾にはどのような特徴があるのでしょうか?
今回は大手塾のなかから、「4大塾」と呼ばれる【SAPIX】【早稲田アカデミー】【四谷大塚】【日能研】の特徴をご紹介します。
大手塾は、これらの特徴を理解した上で、お子さまの志望校・現在の学力・タイプに合わせて選ばれるといいと思います。参考にしてください。
中学受験の「4大塾」特徴
御三家など難関校を目指す |
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難関大の付属校に強い |
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御三家などの難関校対策から中堅校対策まで幅広く対応 |
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中堅上位校の志望校対策講座がとても豊富 |
SAPIX
御三家をはじめとする難関校を目指す生徒は「SAPIX」がお勧めです。
御三家とは、人気・実力がある私立中学3校を指し、毎年東大など難関大への合格者を多く輩出するハイレベルな受験生が通う学校です。 |
実績があることもそうですが、トップ校へ導ける優秀な指導者が多く在席しており、安心して子どもの教育を任せることができます。
しかし、自分自身でモチベーションをキープできる生徒でないと、継続が難しいという特徴があります。
授業は、成績上位2割に照準を合わせて指導が進みます。
処理能力が高い子は伸び、そうでない子には厳しいと言えるでしょう。
テキストも上位層向けで解説が極端に少なく、予習して授業を聞き、復習して理解できないと、SAPIXではついていけなくなります。
SAPIXに入るためには、入塾前の準備が欠かせません。
例えば、4年生の段階で、公文式で1年以上先の学習に進んでいないと、授業にはついていけません。優秀で精神年齢が成熟している子は塾での学習だけで伸びていきますが、そうでない子は家庭学習で家族の必死のサポートが必要になります。
「SAPIX」は、子どもの能力差で家族の負担度に大きく差のつく塾と言えます。
早稲田アカデミー(早稲アカ)
早稲田アカデミーは、難関校を中心に高い合格実績を誇る学習塾です。特に難関大の付属校に強いイメージがあります。
早稲田アカデミーの象徴として、
- ハチマキを締めた生徒さんの姿
- 体育会系の講師陣の元気な声かけ
が挙がるように、塾のイメージとして「早稲田アカデミー」=「熱血指導」が、すっかり定着しています。
そうした講師・教室との熱のこもったコミュニケーションには、生徒さんに少しでも近い位置から、その時々の様子を的確に把握して、生徒さんにとってのよりよい環境づくりを徹底しようという早稲アカならではの姿勢が伺えます。
1ヶ月に1度のペースで教室から各家庭への電話掛けが行われること、あるいは入試本番で、試験を終えた生徒さんに原則教室に寄って状況を報告するように伝え状況を把握してくれるなど、寄り添った指導が特徴的です。
「面倒見のよさ」は他塾にない大きな魅力と言えます。
しかし、早稲アカならではの熱のこもった指導、コミュニケーションのあり方は、必ずしも全ての生徒さんにとってプラスに働くとは限りません。
あくまでも相性としてですが、生徒さんの中には講師の熱い接し方を、逆に圧力と感じてしまい、萎縮してしまって力が出せないといったことも出てくるようです。
四谷大塚
四谷大塚は御三家などの難関校対策から中堅校対策まで幅広く対応できるのが特徴です。
また、中学受験で最大規模の模試を主催しているため、豊富なデータを持っています。
四谷大塚の強みは、テキストのすばらしさです。
特に「予習シリーズ」は、例題⇒類題⇒練習問題とステップが細かく選定されており、書店で購入も可能です。
多くの塾がこのテキストを使用して授業をしており、関東の中学受験生の半数がこのテキストで勉強をしています。
『予習シリーズ』には、中学受験で必要なことはすべて書かれていると言っても過言ではありません。
四谷大塚の授業は、「予習シリーズ」を使用し、予習することを推奨しています。
予習をしないと授業についていけないことはありませんが、予習をきちんとしていくほど授業での理解度は深まります。
予習ができるかどうかで、四谷大塚を上手く活用できるかどうかが決まるでしょう。
日能研
四大塾の中で「志望校対策講座」があるのが、日能研の大きな特徴です。
6年生の9月からは、志望校別のクラスも開講します。
他塾は御三家や早稲田や慶應の系列校などの難関校の対策講座のみ行いますが、日特では中堅上位校の志望校対策講座がとても豊富です。
日特とは、日能研入試問題研究特別講座の略称(日曜日に開講) |
上位校のクラスである「日特」では、海城、攻玉社、サレジオ学院、芝、逗子開成、桐朋、本郷、早稲田高等学院、鴎友学園女子、学習院女子、吉祥女子、頌栄女子学院、流足学園、横浜共立学園、立教女学院、渋谷教育学園渋谷、中央大学附属横浜、早稲田実業などの志望校対策を行っています。
進度が他の塾に比べて、ゆっくり進むのも日能研の特徴のひとつです。
他塾では、5年生までにカリキュラムを終わらせ、6年生からは復習を繰り返す中でより難しい問題に取り組んでいきますが、日能研は6年生の夏前までにカリキュラムを終わらせます。
そのため、あまり速い進度だとついていけないが、ひとつひとつをちゃんと理解していくことができる生徒に向いています。
また「偏差値が高い学校=良い学校」という考えを植え付けない塾なので「子供を偏差値至上主義の受験マシーンにしたくない」という保護者が日能研を選ぶケースも多いです。
中学受験に強い4大塾+αで学習を進めよう
中学受験4大塾の特徴をまとめましたが、どの塾にも共通して言えるのが、進みがとても速いということです。
1週間で一単元進むので、理解できていないと、周囲との差がどんどん開いてしまいます。
そのために必要になるのが、『補習』です。
保護者が勉強を見れるのであれば、ご家庭で補修が可能ですが、多くのご家庭では難しいと感じることでしょう。
そこで登場するのが、「個別指導塾」や「家庭教師」の存在です。
特に算数・国語で「個別指導塾」や「家庭教師」の力が発揮されます。
国語は、大手塾では、なかなか手が回らない教科です。
生徒自身も後回しにすることが多いのが国語とも言えます。
なぜ後回しにするのか、それは、どう勉強していいのかわからずに、手を付けられないからです。
多くの保護者からも「国語をどう教えていいか分からないです」という相談があります。
個別指導塾や家庭教師であれば、テキストを使用して、「読み方」「解き方」の指導を行うことが可能です。
「二月の勝者」を目指すためには、お子様にあった「塾」と「補習」を組み合わせることが大切です。