算数の中で、多くの子供にとって、大きな壁として立ちはだかるのが「分数」です。
小学3年生から学び始め、大学受験の数学でも、かなり重要な存在として(特に積分では大変重要な要素になります)、多くの受験生を苦しめるのが「分数」です。
「3分の1」よりも、「4分の1」の方が小さい。
「なぜ!? 4の方が大きいのに・・・」
そんな素朴な質問が生じた子供は、頭が真っ白になり、分数嫌いが始まります。
家庭ではチーズを切ったり、ケーキを切ったり、フルーツを切ったりしながら、
一生懸命に親は教えますが、子供の頭の中は・・・、
と、食べ物に支配されています。
私はこれを「食物裁断における分数の混乱」と呼んでおります。
今日もどこかで、子供達が分数を理解すために、食材が犠牲になっている事と思います。
わが家でも、多くの食材が犠牲になりました・・・。
分数を得意にする方法
それは・・・
【九九を覚えたら、すぐに分数を始める】ことです。
2年生の秋頃には、多くの子供が九九をマスターします。
その時期が「分数学習の開始時期」です。
そしてまずは、同分母の足し算から始めて下さい。
記念すべき第一問は、「3分の1」+「3分の1」がお勧めです。
次のステップで分数学習の導入が始まります。
①白紙に問題(「3分の1」+「3分の1」)を書いて下さい。
②「これは2年生では勉強しない「分数」という問題だよ」とお子様に伝えて下さい。
※未知の物に対して、好奇心を持つ子供は多いです。
③そして、「この答えは3分の2になるよ」と言って、答えを書いて下さい。
※絶対に理由は説明しないで下さい!! 今後も絶対に!!
④次に、「5分の1」+「5分の1」を書いて下さい。
※分母は他の数字でも問題ありません。約分が出にくい奇数がお勧めです。
※分母は九九の範囲で提出されて下さい。
⑤少し様子を見て、「この答えは5分の2になるよ」と言って、答えを書いて下さい。
※約分が必要な答えが出ても、この段階では無視して下さい。
⑥次に、「ちょっと難しくなるよ~」と言って、「5分の2」+「5分の1」を書いて下さい。
⑦少し様子を見て、「この答えは5分の3になるよ」と言って、答えを書いて下さい。
※早い子は、このくらいで法則を見抜いてきます。
⑧次は7分の1で、類題を作成して、上記の通り式を書いて、答えを書くを繰り返す。
※引き算で式を作ってもいいですよ。
⑨どこかのタイミングで、「分かった!! 7分の〇だ!!」と、嬉しそうに答えるお子様の笑顔が見れます。
⑩そのタイミングを逃さずに「天才!! 習ってない問題できたじゃない!!」と、褒めちぎって下さい!!
この分数学習のポイントは、「子供自身に気付かせる事」が大切です。
親は我慢です。昔流行った「お口にチャック」です(知らない方はすみません)。
もうお気づきかもしれませんが、同分母の分数は足し算・引き算は、足し算・引き算が出来れば、出来てしまう問題なのです。
子供の優越感に上手く火をつけてあげてください。
ここでの狙いは、「分数」に対して、少しでも良い印象をお子様に芽生えさせる事です。
※全ての子供にも適応する方法ではないので、もし子供が嫌がったら、すぐにやめて下さい。
なぜ、このような導きが効果的かというと…
「自分で分かると気持ちいい!!」
からです。
これって大人でも、子供で一緒ではないでしょうか。
そして「自分で分かる」を導き出すには、ヒントを増やす事です。
クイズ番組で考えるとわかりやすいかもしれません。
「ある歴史上の人物を答えなさい」という問題があったとします。
と、ヒントが増えると「真田昌幸」という答えが見えてきます。
分数を理解するのも一緒です。
「答えを書く」=「ヒントが増える」のです。
子どもは、
「なぜ、下の数字は変わっていないのに、上の数字が変わるのだろう・・・」
「上は1+1=2、2+1=3か・・・」
「じゃな、上の数字を足し算すればいいんだ!!
という過程で、自分で考えるように導かれます。
小学2年生のお父様・お母様、是非とも一度実践されてみて下さい。
※繰り返しになりますが、全ての子供にも適応する方法ではないので、もし子供が嫌がったら、すぐにやめてあげて下さい。
算数・数学について、以下のブログも参考にされてください。
高校入試勉強法【数学】-計算力を高める-
中学生の数学勉強方法